フランス アヌシーとパッチワークのお話
今日はパッチワークのお話。何か嬉しかった時の話を書こうと考えていたら急に思い出した昔話。私は若い頃、外国に憧れていたので、海外のインテリア雑誌や洋書を眺める時間が大好きだった。その中でも特に好きだったのが、チェックや小花柄が散りばめられたパッチワークの世界だ。
パッチワークは私の大好きな田舎っぽい暮らしやアンティーク調のお部屋やログハウスなどにもよく合うので、パッチワークのあるような暮らし自体に憧れていたのかもしれない。
パッチワークって、お店で買うというよりは女の人が家でチクチクとひと針ひと針縫って作り上げてゆくというイメージ。そうゆうのも素敵だよね。
昔ちょっとだけフランスでパッチワークのお教室に通ったことがある。
体験教室があったので行ってみた。体験教室では針刺しを作った。小さな4枚の布をつなぎ合わせるというものだった。柄の異なる小さな布を組み合わせただけで、可愛さが倍増。その場でお教室に通うことを決めた。
お教室は集会所のお部屋のような所で夜行われた。先生のジャネットの家が近かったので、毎回車で送り迎えしてもらった。生徒さんは10人位で、30〜60代位だったのだろうか。
面白かったのは、その時間がみんなにとって、パッチワークの技術を習得する時間であると同時に、ストレス発散の場でもあったことだ。嫁姑問題はどうやら日本だけのことではないらしい。嫁があー言った、こー言った、あんなことをした、こんなことをした。心の内を打ち明ける。泣き出す人もいた。今日はひと針も縫ってないんじゃないかということもある。日常生活の中で色んなことを抱えて生きているのはみんな同じなんだなーって。
私は壁にかけるパッチワークを完成させるために、5つのモチーフに挑戦した。先生も私が作品を1つ、日本に持って帰れるようにと、作品へと導いてくれた。ひとつ覚えているのが、作品の縁取りをする生地の色を選ぶように言われ、私が黒い縁取りを選んだこと。先生が私を青に誘導しているのはわかったけれど、私はその青があまり好きでなかった。黒と言えば、葬式を連想させる色で、作品が一気に葬式がかってしまった。お教室のみんなにお披露目した時も、先生がみんなに彼女が黒がいいって言うから。。と、ちらっとこぼしているのが聞こえた。そういう意味で、センスのない作品が出来上がってしまったようだ>_< でも、そういう意味でセンスのない当人は大喜びで日本に持ち帰った!
しばらくして、フランスから小包が届く。開けてみると、パッチワークの壁掛けが入っていた。お教室のみんながそれぞれ作ったパネルを、先生のジャネットがひとつの壁掛けにつなぎ合わせてくれたものだった。真ん中はジャネットの作品で、私たちが出会ったアヌシーという町がパッチワークで描かれていた。山があり、湖があり、運河のあるとても美しい町、アヌシー。フランスから思いがけない贈り物が届いて、私はとても嬉しかった。
・・・と、長くなってしまったけど、贈り物がとても嬉しかったお話でした。(^^)/